ケーブルを束ねるなどの目的で使われる結束バンドは、タイラップやインシュロックと呼ばれることもありますが、これら2種類の呼び名は実は登録商標で一般名称ではありません。結束バンドの元祖とされているのはタイラップで、アメリカのトーマス・アンド・ベッツ社が1958年に発明しました。2012年にスイスに本社構える多国籍企業のABBグループに買収されており、現在はABBグループの一部門としてタイラップを製造販売しています。一方のインシュロックは、ヘラマンタイトン株式会社のブランド名です。

ヘラマンタイトン株式会社は、1970年にタイトン株式会社として誕生した日本の企業で、現在では市場シェアの第一位を誇っています。以上のように、タイラップとインシュロックは登録商標で、製造している企業が異なりますが、従来結束バンドは電気工事や外構工事などの現場で使われることが多く、そのような現場では製造メーカーを問わずタイラップやインシュロックと呼ぶケースが大半でした。しかし、DIY人気の高まりなどの要因でノーブランドの商品が増えたことや、100円ショップが結束バンドという商品名で販売したことによって、現在では登録商標されているタイラップやインシュロックと呼ぶ方よりも結束バンドと呼ぶ方が増えています。また、100円ショップで販売されるようになってからは、ケーブルを束ねる以外にも様々な用途に使える便利グッズとして広く認知されるようになっています。

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